初回である今回は当社営業部の立浪康広が、散居村集落で有名な富山県砺波平野で栽培されているエンレイ大豆の取材に行ってきました。
当社の商品では、『大豆にこだわりました。エンレイ大豆仕込みそ』に、砺波産のエンレイ大豆が使用されています。地元で取れた良質のエンレイ大豆にこだわって作られたこの商品は、姉妹品である富山県産オオツル大豆で仕込んだ『大豆にこだわりました。オオツル大豆仕込みそ』とともに富山県のふるさと特産品マーク(Eマーク)を取得しています。
実際にエンレイ大豆が栽培されている産地を訪ね、大豆の生産にたずさわる農協や農家の方から直接お話を伺ってきた彼に「エンレイ大豆」の現状を聞いてみましょう。
実際にエンレイ大豆が栽培されている産地を訪ね、大豆の生産にたずさわる農協や農家の方から直接お話を伺ってきた彼に「エンレイ大豆」の現状を聞いてみましょう。
まず、エンレイ大豆が栽培されている砺波平野にどんな印象を持っていますか?
立浪
砺波といえばやっぱりチューリップが思い浮かびます。庄川の清流と肥沃な砺波平野に恵まれ、四季折々の花や作物に囲まれた「花と緑のまち」。そんな印象を僕は持っています。
砺波は自然豊かな美しいところですね。美しいといえばエンレイは「艶麗」というとても美しい字があてられていますね。どんな特徴のある大豆なのですか。
立浪
ええ、名前のとおり。照りがあって肌のキメが細かく富山美人のような大豆です(笑い)。大粒で、白目で、光沢があります。タンパク質の含有量が高くキメがそろっているので、味噌づくりに好条件です。淡色系味噌・赤系味噌の両方に向いています。エンレイ大豆は全国各地で栽培されているのですが、その中でも富山県産のエンレイ大豆はタンパク質・脂質・糖質・ミネラルの成分バランスが整っていて、品質は全国トップレベルです。香りも高いです。当社でエンレイ大豆を蒸す日には、工場いっぱいにエンレイ特有のよい香りたちこめるので、それだけでもこの大豆のすごさを実感します。
なるほど。文句のつけようもないすばらしい大豆というわけですね。エンレイ大豆は味噌のほかにはどんな加工食品に使用されているのですか。
立浪
富山県では、煮豆・納豆・豆腐・きなこなどに使用されています。エンレイ大豆はタンパク質の含有量が高いため、特に豆腐には最適のようです。エンレイ大豆使用の豆腐は白く艶やかで濃厚な味がします。大豆独特の甘味もあっておいしいですよ。
今回取材に応じてくださったとなみ野農協さんはどのような特長を持っておられるのですか。
立浪
となみ野農協さんは富山県西部の砺波市・庄川町・福野町・井波町・利賀村などのの組合員から構成されています。エンレイ大豆の作付け・収穫量はともに県内一です。また、環境設備に特長があります。大豆の選別・調製・乾燥の工程の機械化が、となみ野農協さんではすごく進んでいます。コンピューターによる制御がされていて、大豆の品質の均一化に大きな効果を発揮しています。ここでエンレイ大豆の長所を十二分に備えた、粒ぞろいのよい大豆が仕上がるというわけです。昨今、新しい低温倉庫が開設され、6月から10月までの温暖期は、この低温倉庫で大豆の保管を行っています。これによって年間を通して大豆をベストの状態で出荷できるようになり、安定供給が可能になりました。このように充実した環境設備は全国でも類を見ないものだそうです。
エンレイ大豆がそんなに近代的なハイテク施設で管理されているとは初めて知りました。
農家の方のことを聞かせてください。エンレイ大豆を育てるとき、農家の方たちはどのような気配りしておられますか。
立浪
作付け前の土づくりに始まって、肥料の工夫・害虫からの駆除・そして収穫作業に至るまで、まるで赤ん坊を育てるように大事に手塩にかけて栽培しておられます。エンレイ大豆の畑は水田からの転作地が多いんです。それで特に水はけ対策には留意して、圃場選びの段階で水はけのよい田圃に大豆を植えることをしておられます。余計な水分は大豆の育成の障害になるのです。
「赤ん坊を育てるように」ですか。頭が下がりますね。 最後に今回の取材で感じたことを教えてください。
立浪
当社の商品『大豆にこだわりました。エンレイ大豆仕込みそ』について、詳しく紹介しようと試みたのが今回の取材でしたが、実際に大豆の生産地で農家の方たちの大豆栽培の取り組みまで取材してみると、この商品がいろいろな人の努力や苦労により初めて出来上がったものなのだと改めて思いました。そして、「エンレイ大豆」のことをもっと多くの人に知ってもらえたらいいと思いました。
そうですね。わたしたちの味噌づくりは農家の方たちがこだわりを持って作られた大豆や米などの原材料があって始めて成り立っています。原材料の生産者の方たちへの感謝の気持ちを大切にこの「こだわり取材記」のコーナーを継続していきたいですね。
(平成15年11月 取材:立浪 康広 聞き手:山本 和代子)